ツキアカリテラス

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教えられる人から選り好みをされる教師

前回は生徒側の立場で、教える人を選り好みすることの危うさについて述べたが、一方で、教師/講師も選り好みされることについては危うさがあるということを今回は述べたいと思う。 人間、誰しも誰かに認められたい気持ちはある。いわゆる承認欲求である。だ…

教える人で選り好みをする勉強法

「誰に教えてもらうか」というのは、特に塾や予備校であればかなり重要な問題である。「あの先生の授業がすごく良いよ」「あの先生はカリスマ性がある」「あの先生はカッコイイ」など、理由は様々あるが、授業内容というよりは「教える人」で授業を選ぶ人は…

優しい嘘

高校の化学は(化学に限らないが)特に有機化学や無機化学は本格的に理論背景から説明しようと思うと、大学初等レベルどころかそれ以上の内容が必要となる。だからどこかで、言葉を悪くして言えばごまかさないといけないときがある。 そのごまかしが、理論と…

日記にネガティブなことを書くことは良いのか

本当は違うことを書くつもりだったけど、たまたまネタが降ってきたので一気呵成に書く。 日記はオンラインではなかなか書けないような内容を書くことができる場所である。よくSNSではネガティブなことやら批判的なことやらを書かない方が良いと言われるが、…

老害になる自分とのせめぎ合い

ちょっと前にこれを見てなるほどと思った。 www.youtube.com 私も、もういい年である(少なくとも動画にある35は超えている)。見た目は実年齢よりも若いと専らの評判(?)だが、それでも昔に比べると随分と説教臭くなってきている気がする。 昔は授業とい…

オノマトペを使いこなす生徒はデキる

今日の話はこの続きだったりする。 tsuki-akr.hatenablog.jp ここで 「正しい表現でなくてもいいから、自分なりの表現で答えてみて」 と書いたのだけど、これは実際には「擬音語とか擬態語とか使ってもいいから」と付け加えていることが大半で、生徒が答えに…

授業は間違えるところ

授業の中で、生徒を当てることがある。しかし、当てられた生徒は何とかして正しい答えを出そうと必死になるのか、そのまま押し黙ることもしばしばある。 私が生徒を当てる目的は大きく2つあって、一つは理解度をみるため、もう一つは思考を促すためである。…

緊張感のない人間は何をやらせてもダメ

オブラートに包まない表現だが、まちがいなく自分の意見として最も大事にしたいことの一つである。 これを知ったのは実は教育現場ではなく、趣味の音楽活動で、知人が事あるごとに言っていた言葉である。いわゆる思い出補正で、もしかしたら自分の中で過激な…

教案に一般解などない

昔は教案を固めていって、板書も構成も究極の完成形を目指すことに腐心していた。 教える仕事を始めた頃、諸先輩方の美しい板書に魅了され、自分もそれを真似てみたいと思った。緻密に準備されたものを構築して、芸術的な造形物であるかのような授業構成を作…

自分の教育思想を捨てる

例えば、目の前の問題を解説するときに、どういう解説の仕方をするだろうか。 私は1つの問題であっても、様々な解法を提示することが多い。結局、本質的にはやっていることが同じであっても、最初の切り口やアプローチが違うと見た目で全く違う解き方になる…

人と比べることは悪か?

www3.nhk.or.jp 段階別に問題が作られているということは、公文式と同じスタイルなのだろうか。学力の伸びは個人差があるから、個人に最適化されたペースで学んでいけることは良いことだと思う。最後にある「自己肯定感を高める」という点でも有効だと思う。…

覇気

私は幽霊やら占いやら、非科学的なものや疑似科学に関しては基本的に信じない(まあ占いなら遊び程度でやるけれど)が、スピリチュアルなものに関しては軽率に否定できないところがある。たとえばオーラや覇気といったものだ。 問題演習をしている生徒を見て…

コピー機の使い方

コンビニをはじめとする様々な施設にあるコピー機。我々はもう当たり前のように使っているけれども、生徒でコピー機の使い方を知らない者は案外多い。少なくとも私は年に数人、困っている生徒に使い方を教えたことがある。 私は高校のときに軽音部に入ってい…

小テストの結果を重視すること

授業で行う小テストや確認テストは、「学んだことが定着しているかどうか」を評価できることが最重要視されるものであって、「それを用いて発展課題ができるかどうか」を評価するのは二の次だと思っている(それは実力テストや発展演習の類で出題すれば良い…

自分に合った階段を上る

多くの塾は、習熟度別にクラス編成をしていることが多い。何かのテストでランクを振り分けているアレである。では、もしあなたが最上位〜最下位まで好きなランクの授業を受講できるとしたとき、どの講座を受講するだろうか。 おそらく「どうせ受講できるなら…

模試を受けてから

大学入試に向けた模試の1次ラッシュが終わりつつある(あと8〜9月と10〜11月に二度ラッシュがある)。おそらく、この時期に初めて大きな模試を受ける高校生は多かったと思う。 模試といえば、どうしてもAだとかEだとか、判定に目が行きがちであり、そ…

自分の感覚を信じろ

これは確か昔に遊んだ「スターフォックス」に出てくるセリフだったと思う。最近、これを意識しながら行動するようにしている。 忙しさに追い立てられていたり、焦ったりしているときに、どうしても動作の一つ一つがせわしないものになってしまう。ところが、…

定期考査中に塾を休むということ

特に進学塾であればそうなのだが、塾のカリキュラムと学校のカリキュラムが一致していないことがあり、定期考査期間中に塾を休むというケースは少なくないと思う。これに対する反応は賛否両論あるが、どちらも言いたいことは良くわかる。特に非受験学年にと…

一体感は無理にでも植え付けるべきか

もう随分前だったか、ちょっとしたセミナーに参加する機会があった。こういうセミナーに参加したことのある人は分かると思うのだが、最初にアイスブレイクで隣近所の人と自己紹介をし合う、だれかが意見を言った後に拍手をしたり、スローガンを全員で唱えた…

上位と下位どちらにシフトするか

成績の上位と下位が混在している場合、そしてその差が大きい場合、どちらに合わせるか。これは悩ましい問題であり、講師の思想が如実に現れる問題でもあると思う。 私が教える仕事を始めたときは、完全に上位に合わせていた。それが私が受けた予備校の教育だ…

やり直しはしてもいいし許されるべき

今日、突然のイレギュラーな対応に追われた際に、うっかり違ったことを言ってしまった。結局後で訂正し、丁重に対応したことで事なきを得た。 例えば、生徒や保護者と面談をしているときに、間違ったことを言ってしまうことがある。そうならないように資料に…

定量的にやりづらければまずは定性的に

今日の授業で扱った問題は少し難しく、一部の生徒は頑張って答えを出そうとしていて、またその一部はバッチリ正解を出せていたが、多くの生徒は何をしたらいいか分からず手が止まっていた。 理科の問題で難問と言われるものは、マニアックな知識が問われるな…

信頼感のもとに売買は成り立つ?

今朝、髪を切りに行った。どうもマスクをしていると髪の毛の伸びが早い気がする。マスクをすると鼻毛の伸びが早いらしい。マスクをすると呼気がダイレクトに鼻に届くので、汚い空気から身を守るためらしい。髪の毛の伸びにも連動しているのかもしれない。 こ…

これ、国語の問題だよね

タイトルは私の口癖である。なお、私は国語を教えていない。化学(たまに物理)を教えている。 理科を教える仕事に携わったことがあれば重々承知であろうが、理科の問題は「問いの設定」を正確に理解できるかどうかが一番のポイントである。もちろん、基本知…

勝負事があるのに調子の悪いとき

今日は低気圧の影響で頭痛がひどかった。もともと気圧の変化やら急激な気温の変化に弱いので、警戒はしていたのだが、調子の悪さにムラがあるのが悩ましいところ。今回は久々に相当ひどいレベルのものだった。 こういうときは集中力も思考力も減退してしまう…

力不足

今年も何人か大学受験をする生徒を担当しているのだけど、これはまずいなと思っていることがある。特に今年は基礎がまだ身についていないと思われるケースに、多く出くわすからである。 基本知識や基本問題の解法が身についていない。身についていたとしても…

去り際にどうするか

私は普段中高生に理科を教えている仕事をしているのだけれども、こういう仕事をしていてどうしても起こってしまうのが受講をやめる、ということだ。起こってしまうとは言いたくないし、未然にそれは防ぎたいのだが、家庭の事情など止むを得ない理由というの…

はじめまして(というより再開)

もともと別の場所で物を書いていたのだけれども、書くことを選びすぎていたのか、なかなか更新できないことが続いていた。 こういう場所で何かを書くということはまさに「自宅の門扉の前に貼られても良い内容」を書くということだと思っている。便所の落書き…