ツキアカリテラス

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教えること

私は生徒に生かされている

国公立大学前期試験の合格が発表された。私の担当生徒も、見事合格した者もいれば、後期試験に臨む者、そしてもう1年頑張る者と様々である。 もちろん合格した生徒は祝福したいところだが、どうしても不合格だった生徒のことがそれ以上に気になる。特に今年…

平常授業の最終回

冬期講習が目前ということで、今年の平常授業が続々と終わっている。特に高3は、これから講習しかないので、事実上の最終講義ということになる。 よく最終講義というと、最後に授業内容とは関係なく、熱いエールやスピーチをしたり、ちょっとしたパフォーマ…

読解に向き合わせるために試行錯誤中

肌感覚なのだけど、ここ数年で、大学入試の問題のつくりがかなり変わった気がする。特に直近のセンター試験、そして共通テストにおいては、全科目的に「読むこと」に重きが置かれている気がする。 例えば、2016年のセンター試験(化学)では、ミョウバンの純…

家庭教師でバイトをしていて学力を向上させられていないと悔やんだこと

大学生になって、バイトをしていた。今思えばホールスタッフとかコンビニとか、接客のバイトをもっとすればよかったなあと思うのだが、結局家庭教師のバイトしかやっていなかった。 当時は集団授業を受けず、なぜ家庭教師なのかとか、そういった細かい事情を…

質問していいですか?の違和感

「質問していいですか?」 よく生徒から言われる言葉である。ビジネスシーンでも誰かと話すときには「いまお時間よろしいですか?」と言うのが一つのマナーであるし、相手への気遣いという点では何も問題がない。ただ、文脈にもよるのだが、個人的にはこう言…

学校は想像以上に難しいことをやっている

仕事柄、学校の授業内容についても質問を受けることが多く、その中で学校でどのレベルまで授業が展開されているのかを知ることも多い。特にここ数年は、学校で扱われている内容のレベルが非常に高いなと思わされることばかりだ。 例えば化学の場合、結合であ…

私のラフな映像授業の準備

映像授業はもはや当たり前のツールとなっている。そして、その形式も様々である。おそらく多数派としては「Powerpoint/Keynoteを用いたプレゼン」であるが、私はそうではない。 私はiPadのGoodnotesで手書きをしながら授業をしている。ただ、完全に手書きで…

数学を学びなおしていて気づいたこと

数日前から、高校数学を本格的に学びなおしている。進路指導をしていて、数学についても解像度の高いアドバイスができるようになればいいなと思ったことと、もともと数学は好きだったので趣味も兼ねて、ということになる。物理の勉強も中途半端に終わってい…

映像授業における「間」

このご時世で、映像授業もいくつか担当させていただいた。編集はセルフとなるのだが、昔は授業における「間」を映像授業にも反映させていた。つまり無音で数秒というところがいくつかあるのだ。 これは昨今の映像授業というか、映像全体において、視聴の効率…

言霊

私は幽霊の類などを信じる人間ではないが、言霊らしきものはあると思っている。 授業をしているとよくあるのが、授業が構成通りにハマり、語りも流暢にできたけれど、生徒からの反響は今ひとつだということだ。もちろん、逆に、しどろもどろになって穴があっ…

教えることより大切なこと

よく教える人たちの間で言われるのが「教科書を教える」のではなく「教科書で教える」ということである。つまり、教科書に書かれた内容をそのまま教えるのではなく、教科書の内容をしっかりと研究した上で、時には教科書以外の教材を用い、教科書の内容を飛…

優しい嘘

高校の化学は(化学に限らないが)特に有機化学や無機化学は本格的に理論背景から説明しようと思うと、大学初等レベルどころかそれ以上の内容が必要となる。だからどこかで、言葉を悪くして言えばごまかさないといけないときがある。 そのごまかしが、理論と…

老害になる自分とのせめぎ合い

ちょっと前にこれを見てなるほどと思った。 www.youtube.com 私も、もういい年である(少なくとも動画にある35は超えている)。見た目は実年齢よりも若いと専らの評判(?)だが、それでも昔に比べると随分と説教臭くなってきている気がする。 昔は授業とい…

授業は間違えるところ

授業の中で、生徒を当てることがある。しかし、当てられた生徒は何とかして正しい答えを出そうと必死になるのか、そのまま押し黙ることもしばしばある。 私が生徒を当てる目的は大きく2つあって、一つは理解度をみるため、もう一つは思考を促すためである。…

教案に一般解などない

昔は教案を固めていって、板書も構成も究極の完成形を目指すことに腐心していた。 教える仕事を始めた頃、諸先輩方の美しい板書に魅了され、自分もそれを真似てみたいと思った。緻密に準備されたものを構築して、芸術的な造形物であるかのような授業構成を作…

自分の教育思想を捨てる

例えば、目の前の問題を解説するときに、どういう解説の仕方をするだろうか。 私は1つの問題であっても、様々な解法を提示することが多い。結局、本質的にはやっていることが同じであっても、最初の切り口やアプローチが違うと見た目で全く違う解き方になる…

小テストの結果を重視すること

授業で行う小テストや確認テストは、「学んだことが定着しているかどうか」を評価できることが最重要視されるものであって、「それを用いて発展課題ができるかどうか」を評価するのは二の次だと思っている(それは実力テストや発展演習の類で出題すれば良い…

上位と下位どちらにシフトするか

成績の上位と下位が混在している場合、そしてその差が大きい場合、どちらに合わせるか。これは悩ましい問題であり、講師の思想が如実に現れる問題でもあると思う。 私が教える仕事を始めたときは、完全に上位に合わせていた。それが私が受けた予備校の教育だ…

定量的にやりづらければまずは定性的に

今日の授業で扱った問題は少し難しく、一部の生徒は頑張って答えを出そうとしていて、またその一部はバッチリ正解を出せていたが、多くの生徒は何をしたらいいか分からず手が止まっていた。 理科の問題で難問と言われるものは、マニアックな知識が問われるな…

これ、国語の問題だよね

タイトルは私の口癖である。なお、私は国語を教えていない。化学(たまに物理)を教えている。 理科を教える仕事に携わったことがあれば重々承知であろうが、理科の問題は「問いの設定」を正確に理解できるかどうかが一番のポイントである。もちろん、基本知…

力不足

今年も何人か大学受験をする生徒を担当しているのだけど、これはまずいなと思っていることがある。特に今年は基礎がまだ身についていないと思われるケースに、多く出くわすからである。 基本知識や基本問題の解法が身についていない。身についていたとしても…