ツキアカリテラス

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化学を教える

2024年共通テスト化学基礎を解いてみた

昨年よりはやや知識が細かい印象。第2問は見かけは難しそうだが昨年度よりは解きやすい。2023年度と難度はほぼ変わらないと思います。 第1問 問3のアをちゃんと判断できるか。問4、問5は受験生が苦手なところが突かれているので差がついたのでは。問1…

2024年共通テスト化学を解いてみた

少々遅くなりましたが... 2023年度に比べると、問題自体は解きやすくなりましたが、初見のテーマは昨年以上に多く、その点で解きづらい、というか解答に時間がかかります。東大や京大あたりを受験する方はこの辺りの訓練に慣れていたので大きく崩れなかった…

【再掲】大学入試化学の基本事項チェックリスト

もうすぐ夏休みなので、需要があるかもしれないので再掲。理論化学は少し加筆した。 【大学入試】夏休み明けの基礎定着確認リスト(理論化学編) - ツキアカリテラス 【大学入試】夏休み明けの基礎定着確認リスト(無機化学編) - ツキアカリテラス 【大学入…

2022年度東京大学入試(化学)を解いてみた

ここ数年、すごく洗練された印象を受けていた東大の化学ですが、今年はその完成形を見せられた気がします。テーマも出題意図もよく練られた良問揃いです。これを易しめにしたのが共通テスト化学の目指すものなのかなとも感じました。純粋な難度は昨年よりや…

2022年度大阪大学入試(化学)を解いてみた

ここ数年ずっと難度は高止まりでしたが、今年は少し易しめだった気がします。ただし、一部で問題文の意図がとりづらく(たまに阪大ではあるのですが)、解きづらい問題があったほか、複数解答が考えられる問題があったので、パニックを誘いやすい問題だった…

2022年度京都大学入試(化学)を解いてみた

数年ぶりの実質8問構成でした。 ただ、有機・高分子は割と解きやすかったことと、昨年度の第2問のような極めて難しい問題がなかったので、全体的な難度は昨年と変わらないか、やや易しくなったと思います。今回の第1問・第2問で顕著ですが、相変わらず京…

2022年度共通テスト化学基礎を解いてみた

第1問 問1 案外難しい。①は化学式に惑わされないように注意。③は判断に迷うが、明らかに①が誤りなので正しいとする。 問2 これは基本事項ばかりなのでできてほしいところ。選択肢の作り方について、このような問題なら周期律だけで作りそうなところが、い…

2022年度共通テスト化学を解いてみた

第1問 問1 これは単純な知識問題。 問2 まともに計算すると大変。分子を揃えるというのは計算によほど長けていないと気づけないかも。 問3 定性的に考えて二択に絞れる。あとは変化の仕方を考えればよい。状態方程式からゴリ押しで密度を導いてもよい。 …

【大学入試】夏休み明けの基礎定着確認リスト(有機化学編)

前回、前々回の続き。もう9月だけど許してください。思いついたのが一昨日なので、、 tsuki-akr.hatenablog.jp tsuki-akr.hatenablog.jp 無機化学は理論化学の具体例的な話が多く、理論化学とセットでおさえると相乗効果で覚えやすくなるのだけど、有機化学…

【大学入試】夏休み明けの基礎定着確認リスト(無機化学編)

前回の続き。今回は無機化学です。 tsuki-akr.hatenablog.jp 1.17族元素 ハロゲンの単体:沸点の大小、色、酸化力の大小 ハロゲン単体と水の反応(フッ素と塩素) ヨウ素がヨウ化カリウム水溶液に溶ける理由 塩素:製法3つ(MnO2と濃塩酸、さらし粉と希塩…

【大学入試】夏休み明けの基礎定着確認リスト(理論化学編)

ふと、化学の基礎を固める、とは具体的にはどういうことだろうかと考えていた。一言で言えば、教科書傍用問題集(リードα、セミナー、センサー、ニューグローバルなど)の問題を難なく解けて、しかも思考プロセスが解説に書かれているものと一致している、と…

化学の計算で「サボる」

今週のお題「サボる」 初めて運営の出すお題にチャレンジしようと思う。普段は仕事関係、すなわち受験指導について書くことが多いので、今回もそれに絡めて書いてみる。 どうも「サボる」という言葉にはネガティブな意味が込められていて、とにかく何でもか…

【大学入試】無機化学の反応式(硫化水素の製法)

生徒:先生!今度は硫化水素の実験室的製法、硫化鉄(Ⅱ)と塩化水素の反応が分かりません!これこそ丸暗記するしかないでしょう! 先生:いやいや何をいっているんだい。なんでもかんでも暗記をするんじゃなくて、暗記を減らす努力をする、そういうスタンス…

【大学入試】無機化学の反応式(塩素の製法)

生徒:先生!塩素の実験室的製法の反応式がよくわかりません!丸覚えしたらいいですか!? 先生:うーん、、反応式は確かに書けたらそれでいいわけで、覚えたもの勝ちではあるけれど、あれもこれもと片っ端から暗記していくとキリがないよ。だから、暗記しな…

化学における理解型暗記の例(周期律)

暑くなってきた。今年は猛暑という予報なので、熱中症にならないように気をつけたい。室内でも熱中症は十分に起こりうるので、水分補給なども欠かさずにしておきたいところである。自習室で根を詰めてやっていると、水分補給を忘れることも少なくないので。 …

作問でワクワクする

問題を作っているときはいろんなことを考える。以前ストーリー性を重視するようなことを書いた気がするが、それと同等に大事なものがあることに、作問をしていて気づいた次第である。 例えば、問題集で人気があるものはなんだろう。良問が多い、解説が丁寧、…

教材における問題の構成

作曲において「曲先」や「詞先」という用語がある。文字通り、前者は先に曲を作ってそれに合わせて歌詞を乗せること、後者は歌詞を先に作ってそれに合わせてメロディをつけることである。おそらく楽器演奏を経験した人は前者が多いのではと思う。もちろんど…

化学の作問の悩ましさ

仕事柄、高校化学の問題を作ることがある。ベーシックなものから入試レベルのものまで様々である。ベーシックなものであれば、いわば計算ドリル的なものだから、ササッと作れるのだが(数値替えをすればほぼ無限に作れる)、悩ましいのは、模試やちょっとし…