2022年度共通テスト化学を解いてみた
第1問
問1 これは単純な知識問題。
問2 まともに計算すると大変。分子を揃えるというのは計算によほど長けていないと気づけないかも。
問3 定性的に考えて二択に絞れる。あとは変化の仕方を考えればよい。状態方程式からゴリ押しで密度を導いてもよい。
問4 細かい知識が問われているが、④が明らかに謝り。
問5 aは標準的。bは最初気相の組成比が変わると思って計算地獄に陥ってしまった(笑)改めて問題文を読むと「組成は変わらない」と。であれば立式は難しくない。とは言え何が問われているかもちゃんと把握しないと遠回りしかねないので難しい。
第2問
問1 これも単純な知識問題。
問2 結局はただの酢酸(+塩化ナトリウム)水溶液。体積が変わることだけ注意。
問3 これも無駄にひねっている。(特に今年度のような時間がかかる問いが多いセットなら)素直に平衡定数を示せばいいのに、と。ただ、手順を増やすというのは問題を難しくする常套手段の一つなので、こういう傾向は続くかも。求められているのは何か、そしてそれを導くための方針は何かをスピーディに引き出すことが必要。
問4 aはこの手の問題でよくある水素原子と水素ガスの変換がないので比例計算して終わり。bは未反応の物質が含まれていることに混乱しなければ簡単。cは反応式を自分で導く必要がある。おそらくはbが誘導の形になっているのでは。
第3問
問1 構成するイオンがたくさんあり、それぞれの操作でどのような変化が起こるかを考えなければならないので、時間がかかる。でもこれはすごくいい問題。
問2 過不足なく反応するのは最大量得られるとき。類題をやったことがないと難しかったかもしれない。
問3 aは簡単。bは類題の経験がないと難しい。cは最小限、とあるので過不足なく反応させるために必要な量を考えればよい。
第4問
問1 ②が案外難しいかもしれない。このように、見慣れない問いを既存の知識を運用して解く問題は今後増えるかも。
問2 配向性を知らなくても生成物からメタ位には置換されないことがわかる。これもすごく良い問題。
問3 細かい知識がところどころあるものの、⑤が明らかに誤りと分かるのでそれほど難しくはないか。
問4 aはどのような反応を経てできるかがわかれば容易。bは官能基の有無で絞り込んで元素分析(逆でもいい)。落ち着いて解けばいけるはず。
問5 分子の形が対称であればヒドロキシ酸は1種類しか得られないことに気づけば早い。
第5問
問1 単純な知識問題。④はポリ「アセチレン」であることに注意。
問2 類題をやったことがあれば楽(というより頻出なので類題はほぼ全員経験しているはずだが)。bはある程度熱化学方程式の扱いに慣れていても難しい。見慣れない設定で同じことができるかを問うている。cは1.0秒から6.0秒という引っかかりやすい設定であることに注意(多分グラフが通る座標のため、こうなったんだろうなあと)。dは典型的だが、これも複数の手順が必要。まずは速度式を求める必要がある。
ひねりにひねった問題が多く、標準的な問題でも時間が取られる形になっており、解けなかった、というよりは時間が足りなかった受験生が多かったのではないか(これは化学だけでなく他の科目でもそう)。しかし、よく練られており、解答の方針を論理的に立てる訓練としては良いので、二次・私大を控える受験生でも解き直しをする意義は大きいと思う。