ツキアカリテラス

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2025年東京大学化学の入試問題を解いてみた

大変ご無沙汰しております。

元気にやってはいたのですが、今年度はかなり多忙だったので、完全にブログを止めてしまっておりました。また、ぼちぼちやっていきます。

 

さて、国公立前期入試問題も終わったので入試問題でも解いてみるか、と言いたいところ、塾業界はここから新年度募集なのでそんな暇もなくバタバタするもので・・・2024年度は、先述の通りそれ以外のことでもバタバタしていて、まともに問題を解いたのはGWでした笑

ただ、今年度の東大化学はざっと見て、これは急ぎ解いて、ずっと放置しているブログ(笑)で発信した方がいいのではと直感で判断したので、睡眠時間を削って解きました。案の定、SNSでは難化の話が出ていました。

所感は一言で言えば「言われているほど難化ではないが、解答作成に時間がかかる」「古い東大(90年代あたり?)の匂いがする」です。そして、特に今年は大学側がかなり工夫を凝らしたのをすごく感じました。以下、各問ごとに述べます。

 

第1問

状態図に関する問題。実は東大は結構好んで状態図をテーマとする問題を出す。イは引っかかった受験生は多かったかも。ウは非常に良い問題。こんなの知らんと思いつつもある程度思考から引っ張り出して解答可能である(特に今年度はこのように持っている知識を霧の中で振り回して解答を導く問題が多いと感じる)。カは要領よく解いたり答案を作ったりしないと時間がかかってしまう。キはほぼ問題文に答えが書かれているのでは?と思ったが案外解答作成に時間がかかる。今年は論述が多いのでそこで時間をとられがちである。高得点を狙うならそれ以外の問題をササっと解くのが良い気がする。分量が多めではあるが、全体的に東大としては標準的なレベル。

 

第2問

火山ガスをテーマとした問題。これも東大が好きなテーマ。類題が昔に出ていた。アは硫化水素の扱いが悩ましい(塩化水素が溶けるから溶けにくいとするのか、極性だけで判断するのか)が、理由を付すので論理的であればどちらでも良さそうな気がする。ク以降は面白い。これも分量が多めではあるが、全体的に東大としては標準的なレベル。

 

第3問

ペプチドに関する問題。イは手がかりが斬新なので苦労したかもしれない。A1〜A4は全て異なるアミノ酸(α-アミノ酸とは言っていない)問題はカ、キ、ケである。やや無茶振り感のある問題、古い東大や東大後期とかで出てきそうな問題でもある。とは言え、よく考えたら解答の手がかりはつかめるはず。

こういう問題は共通テストでもあって、要するに未知の事象にうまく知識を当てはめられるかが問われている。ただ、共通テストはその当てはめ方が結局典型問題や教科書レベルの問題とほぼ同じで、正解まで短時間でたどりつけるのだが、東大はそうではない。当てはめてからさらに思考することが求められている。論述形式というのもさらにそうさせるのかもしれない。特に今年はそれを強く要求されている。ここ数年はどれも時間をかけたらできる問題だった印象だが(つまり処理スピードさえあれば無双できる)、今年は明らかに傾向が変わっている気がする。

この第3問が他の問題より難しめだが、それでもサッと解ける問題は少なからずあるので、そこさえおさえれば十分ではないだろうか。こういった問題をじっくり考えさせたい気もするので、捨て問にしてしまう受験生が多くなるほどの分量なのは勿体無い気もするが。

数を意識する

教育というものはどうしても評価が複合的になってしまうので、いわゆる「ノルマ」とは非常に相性が悪いと思う。とはいえ、民間教育に携わっているので、どれだけ自分がイヤだと言っても、いわゆる「業績」がつきまとう。合格実績もそうだし、どれだけ新規の顧客を獲得するかもそう。教育からお金の匂いがするのはいかがなものか、、とは思う。現に私も数年前まではそうだった。しかしカネがなければ投資ができない。投資ができなければ多くの顧客を獲得するのも苦しいし、提供するサービスの質も上がらない。

 

最近、数を意識するようになってきている。詳しくはプライベートの範囲になってしまうので多くは語れないのだが(ちなみに副業ではなく遊びの話である。そもそも副業ができない身である)、何かを伸ばすためには数と向き合い、ロジックを組み立てなければならないということを最近強く思うのだ。

 

もっと小規模で身近な話であれば、資格試験やら受験勉強やらで問題集をこの日までに1冊終えたい。そこで逆算的にスケジュールを組むのも数と向き合わないといけないことだし、実行している最中も進捗をちゃんと数を見つめていなければならない。遅れていればそれは何が原因なのか。無理なスケジュールを組んでいないか、時間の浪費をしていないか、、さらに掘り下げることでまた別の数と向き合わなければならない場合もある。

 

こんな偉そうな話をしているが、自分だってうまくやれているわけではない。ただ、数と向き合う中で微調整をしていけば、そのうち道が開けるはずだと思っている。定量的な考察をする力と論理を組み立てる力さえあれば何事も成果はあらわれると思っている。

新年度

新年度にはまだ早いと思われる方が大半かもしれない。時が過ぎるのは早いとはいえ、まだ2月だ。しかし、私のような民間教育業界においては、3月が新年度といってもいい。高校2年生だったら、受験に向けて助走をつけましょう、みたいな。そう、いわゆる「受験生−1ヶ月」である(とはいえ、この表現は個人的に好きではない)。

 

節目ということで、改めて、このブログにもう少し積極的にコミットしてみようと思う。そういえば最初のうちは、30日連続投稿のようなものをやっていた。本当に取るに足りない投稿もあったけれど。別に連日というつもりはないが、こういうスタンスでまたやってみたいなと。

 

ちょうど国公立前期試験も終わったし、また入試問題を解いてみて、その所感は発信したいと思う。新年度は営業上大事な時期でもあるのでなかなか時間がとれないのだが......。

 

とりあえず、今年の東北大の構造決定はめちゃくちゃ良い問題でした。理論もなかなか面白そうなのでトライしたい。あと北海道大も構造決定は有機化学を習いたてであれば力試しにちょうど良いと思いました。

 

ではまた。

2024年共通テスト化学基礎を解いてみた

昨年よりはやや知識が細かい印象。第2問は見かけは難しそうだが昨年度よりは解きやすい。2023年度と難度はほぼ変わらないと思います。

 

第1問

問3のアをちゃんと判断できるか。問4、問5は受験生が苦手なところが突かれているので差がついたのでは。問10がかなり難しい。気づけばただの算数なのだが、まず状況を把握するのが(文系にとっては)かなり苦しいだろう。解答に至るまでの手順も多い。

 

第2問

理系で学ぶ内容を文系向け問題にアレンジするトレンドが続いたが、今年度は完全に初見のテーマ。ただ問われていることはどれもそこまで難しくはないので、見慣れないテーマでも同じような解法を適用できるかが問われている。問題が易しめとはいえ、文系にとってはこれはかなりハードルが高いといえよう。

 

化学はこちら:

tsuki-akr.hatenablog.jp

2024年共通テスト化学を解いてみた

少々遅くなりましたが...

2023年度に比べると、問題自体は解きやすくなりましたが、初見のテーマは昨年以上に多く、その点で解きづらい、というか解答に時間がかかります。東大や京大あたりを受験する方はこの辺りの訓練に慣れていたので大きく崩れなかったかもしれませんが、典型問題を解くだけでやっと、という受験生にとってはかなり苦しかったと思われます(まさに「易しい東大」といった印象でした)。以上より、おそらく昨年とほぼ同じ難度ではと思われます。

 

第1問

問2が意外に難しい(私だけかもしれないが。ちなみに私はこの問だけで5分かけてしまった)最初に温度と圧力が記されているので混乱しやすい。

問4はグラフの読み取りだがそこまで難しくはない。cは氷と水が共存しているから0℃と早めに気付きたい。

 

第2問

問1は新課程のエンタルピー変化をにおわせる?問3は一瞬何をすれば良いか戸惑う。東大が好んで出しそうな問題。

問4aは定性的に④と⑤にさっさと絞り込んで、反比例でないことから④と答えたい。bは定石でもグラフの読み取りでもどちらでも解ける。cは①の判断がやや難しいか。

 

第3問

問3までは知識問題。そこまで難しくはない。

問4は見慣れない反応。aは教科書レベルと同じことができるか。bは問題文をよく読んで立式していきたい。cはアルミニウムの溶融塩電解でCOとCO2が陽極で生じたとき...と似たような問題。

 

第4問

問1は知識でも反応前後の原子数保存でもどちらでも解ける。問4以降は見慣れない物質が出てくる。bはペニシリンの作用で戸惑うが、あまり考えなくても解けなくはない。

 

第5問

ススペクトルに関する問題。問1は尿量を読み落とさないよう注意。問2は算数的に解ける。問3aは塩素の同位体比に注目する。bはそこまで難しくない。cは1箇所で切断された分解産物を考えればよい。

 

 

化学基礎はこちら

tsuki-akr.hatenablog.jp

2023年東京大学化学の入試問題を解いてみた

だいぶ遅くなってしまいましたが、先日ようやくまとまった時間がとれたので解きました。体感としては2022年度よりも易しく感じましたが、話題になっている物理の大幅難化があったので、その分に時間が取られるということを考えると難度はほぼ同じかもしれません。有機化学が難しくなったので、そこに賭けていた方は厳しかったのではと思います。また、昨年同様、IIの方が解きやすい問題が多かったので、問題を解く順序についてはちゃんと戦略を立てる必要があります。

 

第1問

Iはただの構造決定問題のように見えるが、結構難しい。頭の使い方が典型的な構造決定のアプローチとは少し違う。純粋にパズルっぽい感覚で解かなければならない。

IIは過去にも出題のあったNewman投影図に関する問題。こちらの方が立体構造をしっかりと考えなければならず難しい。

 

第2問

Iはフッ化水素の平衡に関する問題。オの(b)以外はサクサク解答したい。IIも目新しい問題はところどころあるが、そこまで難しくはない。

 

第3問

Iは共通テストを踏襲したような会話形式の問題であるが、問題の作りが秀逸。そもそも、会話ではなく「議論」なのも良い。理論・無機ではこの設問が一番難しい。IIはコロイドに関する問題だが、これも近年の東大のレベルを考えるとやや易しめ。

門出は陰から見送る

国公立前期試験の合格の報告に今年も生徒が来てくれた(1つ前の記事の通り、私への報告はいつもよりも寂しいものとなったが)。さて、ここで決まって起こるイベントが合格者の写真撮影である。

 

私も受験生だったときに経験があるが、よくスタッフと一緒にガッツポーズやらピースやらで写るアレである。私も誘われたらもちろんその中に写るのだが、その時限りだ。つまり、私は極力そこには入らないようにしている。だからああいう写真には、基本的に私は写っていない。少しせこい話になると広告塔になるのでは、という考えもあるが、それであれば本人だけが喜びの表情で写ればいいと思っている。

 

私がああいう写真に写らないのは、写真写りに自信がないとかそういう理由ではない。大きな理由が2つある。まず1つ目の理由は、この受験の主役は受験生であると思うからだ。それなのに教える人間が同じ写真の中にいると「わしが育てた」感がすごく出てしまう。それが個人的に好かないのだ。

実際に私のおかげです、と言ってくれる生徒もたまにいてありがたい限りなのだが、合格を手にしたのは間違いなく本人の努力の結果だろうし、科目レベルで考えても私以外の寄与は私と同等、いやそれ以上に非常に大きいのは言うまでもない。さらに言えば、他の講師やスタッフ、そして家族や友人がいてこそ成し遂げた合格である。なのに、それを差し置くような形で私が合格に導きました、みたいな形で写るのが、こそばがゆい以上に避けたいのである。

 

もう1つの理由は、受験が終わったらさっさと私のことは忘れて欲しいからである。受験が終わったら私はただの大学入試オタクである(いや、受験が始まろうが終わろうがそうなのだが)。実際、本当の恩師、慕うべき大人たちはここから先の未来に出会うことになると思っている。私はと言えば、ただ、偶然出会って大学入試の時間を共にし、そこで時折声をかけただけである。それ以上のことは何もしていない。その人の人生という長い道程の中では、ただの通りすがりの人間である。

 

ただ、ふとしたときに大学入試を振り返るときがあって、そのときに、あああんな人いたな、と思い出してくれればそれだけで私は幸せである。