ツキアカリテラス

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2023年度神戸大学化学の入試問題を解いてみた

ここ数年は標準的な問題ばかりでしたが、今年は大幅に難化。2010年以前にも大問1つくらいはこれくらいの難しめの問題が出ていましたが、今回は大半がそういった問題でした。特に大問3が難しいです。

 

大問1:「印加」の表現は難しいがこういう表現は慣れるためにも入試問題で積極的に使って欲しいと思う。問1は簡単そうで面食らうかも。問2は問題文の「なお」以降をちゃんと読まないと塩化銀水溶液=水の電気分解と誤解してしまう。問3は有効数字の指定がないのでpHに合わせて1桁とするのが良いだろう。液量が100mLであることに注意。問4は思考力を要する。名称で答えるのか化学式で答えるのかの指定がないのが悩ましい。問5は比較的解きやすいのでこれを先に解くのが賢い作戦か。

 

大問2:問1は塩化物イオンの変化量がわずかで無視できるということに気づけば計算は楽。それでも面倒なので、後回しにした方が良い。問3は新しい問われ方で面白い。問6は12族元素であるカドミウム遷移元素とするかどうか悩ましい。問8は単位に注意。

 

大問3:環状エステルで炭素間二重結合をもち、おまけに加水分解でケト–エノール互変異を起こすといった盛りだくさんの化合物に関する構造決定。非常に良い問題だが、受験生のレベルを考慮すると超難問。神戸大でもこのレベルの出題がなされるようになったことは今後注意が必要。オゾン分解により二重結合の切断が起こることを知っていなければ解けない。問6はトランス付加は考慮しなくても大きな失点にはならないと思われる(阪大ですら但し書きをつけるのだからこれをノーヒントで考えさせるのは酷すぎる)。環状構造が非対称なので(トランス付加さえ考慮しなければ)そこまで難しくはないが、構造式を書くのに時間がかかる。

 

大問4:糖類に関する問題。問5以外は落とせない。問5は細かい知識なので、できなくても悲観しなくて良いだろう。