ツキアカリテラス

tsuki-akr terrace

教材における問題の構成

作曲において「曲先」や「詞先」という用語がある。文字通り、前者は先に曲を作ってそれに合わせて歌詞を乗せること、後者は歌詞を先に作ってそれに合わせてメロディをつけることである。おそらく楽器演奏を経験した人は前者が多いのではと思う。もちろんどちらが良いというわけではないのだが、私自身も楽器を嗜んでおり、曲先はまあ問題なくできるのだが、詞先はやってみたいとは思うのだが、どうやったらいいか全く見当がつかない。というより、歌詞が書けない(笑)たぶん、表現のストックが全くないんだろうなと思う。

 

で、音楽の話をしたいのではなく、今回は教育の話(ややこしい)。というより、教材作成の話だ。上記のことは教材作成、特に問題選定においても似たようなことが当てはまると思うのだ。


つまり、まず問題を選定して、それを何らかの構成順に並べて作る場合と、まずその単元における到達目標なりストーリーなりを作り、それに合わせて問題を選定する場合である。


かつては私は前者の方法で教材を作っていた。とりあえず典型的な問題をバーッと集めて、それを難度の順に並べていたのである。これでも、問題の選定次第では十分にいいものができるのだが、どうしても問題どうしの連関が薄くなりがちであり、いろいろな問題を解ける力は養われるかもしれないが、体系的に学習内容を理解するには少し難しい部分がある。それを使う人の力量に大きく左右されるといったところだろう。


それで、数年前からは後者の方法で作っている。その単元で何を身に付けさせたいのか、そして学力のレベルも考慮しつつ、どういう問題ができなければならないのか(ここは入試に頻出なのかどうかももちろん考慮する)を考え、なるべくそれに合致した問題を選定していくのだ。もちろん前者よりはクオリティの高いものができるのだが、なかなか見合う問題がなかったり、あったとしてもだいぶクラシックな問題になってしまうので、作成に時間がかかる、選定でのエネルギー消耗が半端ない、といった難点がある。この方法で作る場合は早めにスケジューリングして作っていかなければならない。


それでも、やはり教材作成は授業同様妥協できない、してはならないところだと思うので、夜なべをすることがあれども、いいものを作るという気持ちを強く持って作成にあたりたいと思う。