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【大学入試】夏休み明けの基礎定着確認リスト(理論化学編)

ふと、化学の基礎を固める、とは具体的にはどういうことだろうかと考えていた。一言で言えば、教科書傍用問題集(リードα、セミナー、センサー、ニューグローバルなど)の問題を難なく解けて、しかも思考プロセスが解説に書かれているものと一致している、という状態が基礎が固まっているということなのだが、それを確認するためのリストみたいなものがあればいいなと思い、ラフではあるが作ってみた。大学入試を控えている方々の参考になれば幸いだ。今回は理論化学について。化学基礎のみを必要とする人でも大半は使える。ラフなので、もしかしたら随時修正するかもしれない。

 

なお、このリストが全部チェックできてさえいれば大学入試対策が万全というわけではもちろんない。リストのチェックはゴールではなくスタート地点である。これらを個々の問題に応じて自由自在に使いこなすためには、やはり問題演習が必要となる。その際に闇雲に問題を解くのではなく、これらの項目を根拠を持って使うことを強く意識する必要がある。

 

1.原子、結合、周期律

  • 原子を構成する要素と、それらの特徴について説明できる
  • 原子番号20番までの周期表上の位置、およびその電子配置をスラスラ言える
  • イオン化エネルギー・イオン半径などの周期律を電子配置に関連づけて説明できる
  • 原子間の結合がどの化学結合なのかを分類できる
  • ファンデルワールス力と水素結合の違いについて説明できる
  • 様々な結晶の性質を、化学結合の性質に基づいて説明できる
  • 単位格子(体心・面心)に含まれている原子の個数/配位数/原子半径を計算できる

 

2.物質量の計算と化学反応式

  • 様々な単位変換を、変換の丸暗記に頼らず比例関係に基づいてできる
  • 化学反応式を、両辺の原子数のつりあいを意識して書ける
  • 化学反応式を用いた計算ができる(過不足ある、なしどちらも)

 

3.中和反応

  • 代表的な酸、塩基の化学式をスラスラ書ける
  • 中和反応の反応式を、水素イオンのやりとりを意識しながら書ける
  • 弱酸塩、弱塩基塩の反応を、電離の逆反応を意識しながら書ける
  • 塩の液性、分類を正確に答えられる
  • 中和滴定に用いる器具、指示薬とその使い方の注意を正確に答えられる
  • 強酸ー強塩基、弱酸ー強塩基の滴定曲線を描ける
  • 中和反応の量的関係を、水素イオンのやりとりに基づいて計算できる
  • (理系のみ)二段階中和の解き方を説明できる

 

4.酸化還元反応、電池、電気分解

  • 酸化剤、還元剤が何かを答えられる
  • 原子の酸化数をスラスラ計算できる
  • 酸化剤、還元剤の酸化数がどう変化するかを答えられる
  • (理系のみ)酸化還元反応の反応式を半反応式から書ける
  • 酸化還元反応の量的関係を、電子のやりとりに基づいて計算できる
  • 金属と金属イオンもしくは酸との反応を、イオン化傾向に基づいて判断できる
  • ダニエル電池の電極、電極における反応、素焼き板の意義を正確に答えられる
  • (以下、理系のみ)
  • 鉛蓄電池の電極、電極における反応、充電を正確に説明できる
  • 燃料電池の電極、電極における反応を答えられる
  • 電気分解の陽極、陰極がどちらかを判断できる
  • さまざまな電気分解における反応の反応式を正確に書ける
  • 電池、電気分解における量的関係を、電子のやりとりに基づいて計算できる

 

----ここから化学の範囲----

5.気体・飽和蒸気圧

  • 気体のパラメータ(圧力、体積、物質量、温度)実験操作の前後で一定であるもの、変わるものを、図を描きながら正確に把握できる
  • 状態変化する気体について、全て気体なのか一部液体なのかを判断できる
  • 実在気体がなぜ理想気体からずれるか正確に説明できる
  • ファンデルワールス状態方程式を説明できる

 

6.溶液

  • 蒸気圧降下がなぜ起こるのかを、粒子の挙動に基づいて説明できる
  • さまざまな溶液の沸点、凝固点がどう変化するか、またその変化の程度を把握できる、もしくは計算できる
  • 冷却曲線のグラフの変化を説明できる、冷却曲線から凝固点を求められる
  • 浸透圧がなぜ起こるのかを、半透膜を介した粒子の移動に基づいて説明できる
  • U字管を用いた浸透圧の測定について理解できる(浸透前後の浸透圧は同じか異なるか、浸透後の浸透圧はどうやって求めるか)
  • 親水コロイドと疎水コロイドの違いを説明できる
  • 塩析と凝析の違いを説明できる
  • その他、コロイドの用語について説明できる

 

7.反応速度

  • 反応速度の定義を言える

  • 反応速度が増大する要因3つと、それによりなぜ反応速度が増大するかを説明できる
  • モル濃度の継時的変化に関する実験結果から、反応速度を計算できる

 

8.化学平衡

  • 化学平衡に達するまでの反応速度の変化、濃度の変化について説明できる
  • 化学平衡の法則がいつ成立するのかを理解できる
  • ルシャトリエの原理に基づいて平衡の移動する向きを決められる
  • 弱酸(弱塩基)水溶液の水素イオン濃度を電離定数を用いて求められる
  • 弱酸塩(弱塩基塩)水溶液の水素イオン濃度を電離定数と水のイオン積を用いて求められる
  • 緩衝液がなぜ緩衝作用を示すか、反応式を用いて説明できる
  • 緩衝液の水素イオン濃度を電離定数を用いて求められる
  • 緩衝液の水素イオン濃度から、化学種(未電離のものと電離後のもの)の比が求められる
  • 溶解度積と溶解度の違いを理解できる
  • 溶解度積を用いて、沈殿ができるかどうかを判断できる
  • 溶解平衡に達したときのイオン濃度を溶解度積を用いて求められる(同濃度・同体積の水溶液を混合した場合、異なる濃度・同体積の水溶液を混合した場合)

 

2022.7.7 更新