ツキアカリテラス

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人と比べることは悪か?

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段階別に問題が作られているということは、公文式と同じスタイルなのだろうか。学力の伸びは個人差があるから、個人に最適化されたペースで学んでいけることは良いことだと思う。最後にある「自己肯定感を高める」という点でも有効だと思う。

 

しかし、「人と比べること」はそんなに悪いことなのだろうか、とも思う。私自身受験指導をしていることもあり、他人との競争に関しては贔屓目で見ている部分もあるかもしれないが、それでも切磋琢磨し合うことによる学力の向上というのはありうると思うのだ。

 

実際に、友達同士で同じ問題集を解いていき、進捗を共有しあった結果、春休みに問題集を一気に進めた生徒がいた。その生徒は「友達のペースがありえないくらい速いんですよー」と言っていた。その友達は春休みで問題集1冊を一周したらしい。未習範囲もあるので全部というわけではないが、それでも100題は超えるほどの分量だ。しかも全て大学入試の過去問である。相手のペースにいい意味で引きずられて、予想以上のペースで問題演習をこなしていけたのである。

 

おそらく、他人との競争が悪い方向にはたらくのは、それを手段ではなく目的にしてしまっているのが一因ではないかと思う。相手を打ち負かすのではなく、競い合い、助け合う中でお互いに高みに登っていくのが本来の意義だと思う。

 

特に「助け合う」ということが大事なのだと思う。相手よりも優れていることでマウントを取らない、相手の方が優れていることを妬まない。つまり、優劣関係なく相手を受け入れる姿勢をお互いに持たなければならない。「人と比べる」ことは、そういう下地があってこそ有効なのだろう。だから、そういう集団を作ることが大切なのだと思う。