ツキアカリテラス

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教える人で選り好みをする勉強法

「誰に教えてもらうか」というのは、特に塾や予備校であればかなり重要な問題である。「あの先生の授業がすごく良いよ」「あの先生はカリスマ性がある」「あの先生はカッコイイ」など、理由は様々あるが、授業内容というよりは「教える人」で授業を選ぶ人は多い。たしかに世の中は「何を言ったか」より「誰が言ったか」が重要視されるところがあるので、「教える人」を選り好みするのはそこまでおかしなことではないと思う。私だって、それでもし学力が向上したり、勉強に対して前向きになったりすればそれでいいと思う。

 

しかし残念ながら、そのように教える人を選り好みする生徒は伸びない生徒が多い気がする。もちろん全員そうではないが、教える人が誰であろうが、あまりこだわりをもたない生徒の方が良い結果を出しているケースが多い。

 

教える人に依拠しすぎる学び方は私は危険だと思っている。理由は色々あるのだが、一番の理由は、推している人の意見しか受け入れない、つまり多様な意見や思想を受け入れられない、ということにあると思う。

 

自分にとって何が最適であるかというのは、自分自身ではなかなか判断できないものである。もし判断できたとしても、それが見当違いであることが多い。それに対して、第三者の意見を聞いて自分だけでは得られなかった発想や考え方に気づき、それをもとに事が良い方向に進むことは往々にしてある。今や受験勉強に関する情報は大量に転がっている。それにも関わらず、第三者による指導を求める人が多いのは、やはり独断で進めていって、どこかで頭打ちになっているケースが多いのではと思う。

 

だから、この先生にしかついていかない、というのは自分の可能性の幅を大きく狭めてしまう行為であると思う。仮にその思想が合わなかったとしたら、勉強が回り道になるどころか、学力を下げてしまうことだってある。私の授業が合わなくて他の先生の授業を受けたらそこで大化けして良い成果を残した生徒もいるし、もちろんその逆もある。

 

ベストなのは、多様な意見を聞き、その中からチョイスすることである。多様な意見に触れるきっかけをちゃんと持っておくこと、自分からそれを潰さないことが大切だと思う。私も、教える人を選り好みせずに講座を受けるかどうかは考えて欲しいとよく言う。