ツキアカリテラス

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第一志望の大学に入学してから1年間を棒に振った話

4月、入学シーズンということなので、この話を。

 

私は一年浪人して、何とか第一志望の大学に合格をすることができた。噂にこそ聞いていたものの、部活動やらサークルやらの勧誘が半端ない。こういう、押しの強い勧誘をされるのがもともと嫌な人間なので、なるべく避けようと行動していた気がする。

 

それでも、どこかで自分を変えたいという思いはあった。高校に入ってからその第一段階(?)として、バンドを始めた。もちろん、それまで音楽になんて関心がなかったわけだから周りからは驚かれたのだが、なんだかんだで今も楽器を手にする日はあるのだから、やってよかったと思う。

 

当時はインターネットはそこまでありふれたものではなかったし、私自身も携帯電話をまだ持っていなかった。とはいえ、この時期に道端でたくさん配られる情報誌的なものにはキラキラしたキャンパスライフの事例がたくさんあって、そこで大学生になるとはどういうことか、ということを何となく知ることができた。

 

大学に入ったら、アルバイトをやってみようか、やっぱり家庭教師だろうか。1年余分に受験勉強をしてきたし、色々と強みはあるかもしれない。趣味ではまた違った音楽活動をしたいな、そうだ、アカペラサークルなんてどうだろう、みたいなことを考えていた。またずっと高校の軽音で歌うことを拒んできた人間が何を言うか、という話だが、おそらく自分の声がコンプレックスだったので、それを打破したいという思いがあったのだろう。こういうことがきっかけで新しい行動を起こすのは昔も今も変わらない気がする。

 

ところが、物心ついたときから、ずっと共にしてきた内気な性格。これはなかなか打破できなかった。結局、サークルは部活動はあれこれ見学に行ったものの、なかなか入ります、と踏み切れなかった。そして、それ関連で実はちょっとしたいざこざがあって(今思えばいざこざと言えないくらい些細なレベルのものだ笑)、それが引き金になって心が折れたのだと思う。過去から今まで引きずってきた、本当のコンプレックス=内向的な性格、と戦い続けているうちに、無意識に疲弊してしまっていたのかもしれない。それ以来、もう部活動やサークルはいいかな、と思うようになったし、アルバイトも結局何もしないまま、ただ漫然と授業を受けて帰るだけの日々。予備校時代と大して変わりばえのしない日々だった。もちろん時間的余裕は十分にあったから、散歩がてらチャリで遠出は時々したのだけど。

 

結局、部活動もアルバイトも2回生になったタイミングで始めた。あのときは本当に空白の一年だった。今思えば非常に勿体無いことをしたと思う。多くの見知らぬ世界とつながれるまたとないチャンスだったのに。

 

それからも、チャンスを逃して勿体無いなあと後悔したことは何度もあったけれど、だんだんとチャンスを手繰り寄せられるようになってきた。人生経験がある程度豊富になった今、なぜそうなったのかと問われたら、答えはやっぱり踏み込む勇気だと思う。何も反社会的活動みたいな危険なところに足を踏み入れるわけではないのだ。後のことは後で考える、これくらいのスタンスで良いのではないか。

 

春から大学生の人も多いと思う。公序良俗に反しない範囲で、面白そうだなと思ったことは片っ端からやっていただきたいと思う。