ツキアカリテラス

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ONE PIECE FILM RED終映

昨日、ONE PIECE FILM REDの終映ということでレイトショーにて鑑賞してきた。もともと1度見ていたので2度目の鑑賞だったのだけど、全体のストーリーが分かってからまた見ると全く違うように見えてしまうのが面白い。あ、こういうところで伏線張っていたのね、とか。

 

普段あまり映画を鑑賞しないのだが、これは非常に面白かった。たぶん明快な勧善懲悪ものよりも、善悪の区別がはっきりしていないコンセプトが好きなのかもしれない。私がジブリで一番好きな映画が「もののけ姫」だということを考えると(私の中ではジコ坊は悪とはみなしていない)。今回も強いてヴィランがいるとしたらトットムジカくらいで、ウタはもちろんそういう枠ではない。しかし、トットムジカみたいなえぐい歌詞を少女のウタが歌うなんて想像できないなあ笑

 

あとは何と言っても楽曲である。もともとAdoは好きだったし、そこに中田ヤスタカやMrs.GreenAppleなど好きなものが合わさったら、もう大好き以外の表現が見当たらない。もちろん、他の曲も秀逸。普通、歌詞がいいけど曲が、とか、曲がいいけど歌詞が、とかは結構あるのだけど、今作はどれも歌詞も曲も高品質である。とりわけ、歌詞は実は尾田栄一郎が書いていたんじゃないか、ってくらい見事だった(入れ知恵はもしかしたらしていたのかもしれないが)今回は音楽が一つのモチーフだということもあり、相当に気合が入っていたものと思われる。

 

で、シャンクスがかっこよすぎた。さすが四皇。めざましジャンケンでこれでもかというくらいイジられていたのに笑、あれはずるい。惚れてしまう。

 

一方でアニメ、特に劇場版って社会的なメッセージも含まれていると思っているのだけど、今回もその例に漏れなかったと思う。ウタはエレジアでは崇められていたのだけれど、それが排斥の論理につながる危うさを持ったり、それをめぐる争いや分断についても描写されていて、ここ最近の風潮も反映されているのかなと思った。昔はこういうのはテレビや対話を媒体とするものだったのかもしれないが、今はやはりSNSだと思う。そして、先に述べたような、悪い意味での教祖と信者の関係であったり、分断であったりはここ最近でさらに顕在化してきた気がする。ウタは新時代でそういったものを全否定する世界を作り上げようとするのだが、結局それはベストな策ではない、そういう諍いも起こりうる中でどう折り合いをつけてやっていくか、というのが大事なのではないか。「争いのない世の中など存在しない」というセリフがあったが、そう考えるとこのセリフは非常に刺さる。

 

いやあもう、全方向的に楽しめる映画でした。こういうのは久々。

 

最後に、ウタがルフィを殺そうとするところでなんとなくそうじゃないかと思って、動画で同じような解釈していた人がいたので貼っておく(他にもネット上では似た憶測が散見されるが)。

ただセイレーンまでは気づかなかったな。なんで羽が生えるのかと思ったら納得。

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