ツキアカリテラス

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大学入試間際だからこそ確認してほしいこと

共通テストまで50日を切った。また今年も入試が始まろうとしている。おそらく多くの受験生は最後の追い込みということで、過去問の演習に邁進していることだろうと思う。

 

ただ、この時期だからこそ、もう一度確認してほしい。

 

「本当に基礎は完成していますか?」

 

多くの問題演習をこなすと、それだけ経験は豊富になる。しかし、経験が豊富になったからといって、合格に必要な力がついているのかというとそうとも限らない。

 

入試では当然、「今まで見たこともない問題」が出題される。もしかしたら一見「やったことのある問題」なのかもしれないけれど、どこかの設定が違っていたりして、完全に一致する問題は皆無である。そして、そのような問題を解くためには、パターンラーニングでは到底無理である。つまり、演習した問題数といった物量作戦では、とりわけ大学入試をパスすることは非常に厳しい。

 

では何をもって合格に必要な力が身についたとみなすべきなのか。何をもって「基礎が完成された」とみなすべきなのか。一つの尺度としては「解法を、目の前の問題に合わせて微調整して適用すること」だと思う。言い換えれば、あらゆる問題が、やったことのある問題を解くのと同じ感覚で解けるようになることが到達点だと思う。

 

一度、問題を解いているとき、自分がどういう思考回路なのかを意識してほしい。そのときに、過去にやった問題を検索してはいないだろうか。もちろんそういうことは多かれ少なかれ必要なのだけど、それが問題を解くときのメインの作業ではない。拠り所は自分の問題を解いた記憶ではなく目の前の問題なのである。問題文にこう書いているから、ああ、この問題は前にやったこの問題と同じようにして解けるな、だとか、いや、問題文を読むと、前にやった問題とここが違うぞ、、ではここをこうしたらうまく適用できるのではないか、という思考回路を取れるかどうかだと思う。

 

解法は出来合いの料理のようにそのまま出していいものではなく、食材のようなものである。それをうまく調理するというステップをちゃんと踏んでいますか、ということを自問してほしいのである。

 

問題を数多く解いていると、できたつもりになったり、基本に立ち返ることを忘れたりすることは多い。それでは結局力が身についていないのと同じである。この時期だからこそ、もう一度当たり前の大切なことを考えてほしい。