ツキアカリテラス

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甘茶と私

今週のお題「好きなお茶」

 

私はコーヒー派なのだけど、お茶を全く飲まないわけではなく、もちろん紅茶もハーブティーも時には飲む。コンビニなどに行けば、選ぶのは決まって綾鷹なのだけど笑、それだとさすがに芸がないし、私がこの半生で一番好きなお茶には当てはまらない。

 

私が好きなお茶、それは甘茶だ。

 

甘茶はもしかしたら初めて聞いた人がいるかもしれないので簡単に説明すると、アジサイの仲間であるアマチャの葉を発酵してできるお茶である。私も調べていて初めて知ったのだが、このアマチャ、アマチャヅルとは全く別物らしい。私のなかで完全に混同していた。もちろん飲むと甘い。この甘さがなかなかに独特で、もう何年も飲んでいないのだが、明らかに砂糖などで代用できない甘さであることははっきりと記憶している。

 

おそらく日常で甘茶を飲む機会はそんなにないと思う。私だって日常的に飲んでいたわけではない。この甘茶は、お釈迦様の生誕を祝う「花祭り」、すなわち灌仏会で仏像にかけるものだ。もちろん飲用にも用いられるのだが、飲むとしてもこの灌仏会くらいではないだろうかと思う。

 

私が甘茶を飲んだのも、その灌仏会のときだけである。小さい頃に通っていた保育園が仏教系のところであり、毎年4月に花祭りをやっていて、それが終わったあとに園児全員に甘茶が振舞われ、家に持ち帰る、ということをしていた。見た目は何の変哲も無いお茶なのに、飲むと甘くて、しかもどのお菓子にも変えられない、今まで味わったことのない甘さである。なくなるのが名残惜しそうに飲んでいたと思う。

 

保育園に通いたての私といえば、それはもう、黒歴史そのものだった笑。同年代の子たちの集団で生活する生まれて初めての機会。生まれつき内向的な性格で、早速やんちゃな子にいじめられる日々。それで保育園に行きたくないと駄々をこねて親を困らせていた。不思議とみんな大人になっていくのか、そのうちいじめられることもなくなり、年長組になったときには普通に幼稚園に通っていたのだが。

 

年長組のときの花祭りは全く記憶にないのだけど、年中組のときの花祭りは妙に記憶に残っている。その情景が目に浮かぶ、というほどではないけれど、何か特別な時間が過ぎていたように記憶しているのだ。それに年中組の記憶はびっくりするほどないのだけど、ただ1つのイベント、花祭りだけはおぼろげながら残っている。そりゃあ毎日のようにいじめられていたんだもの、そういう記憶は封印したくなるだろうし、だからこそこういうお祭りごとは、嫌なことを忘れさせてくれるイベントだったのだろうと思う。もちろん、甘茶のあの独特な甘さも。

 

甘い味だけど、思い出の苦さも一緒に味わうことになる。でもこの甘さは、私の過去を思い出してくれるきっかけとして大事な味である。