集団指導は個別指導のように
集団指導を主に担当していると、どうしても全員への伝達を重視してしまいがちなのだが、集団指導こそ個別の対応が大切になってくると思う。
学力面で考えた場合、この授業がどハマりする生徒もいれば、それについていくのにしんどい生徒もいるし、簡単すぎて退屈する生徒もいる。後者2つについては理由は違えど、授業に対するモチベーションの低下になるので、なんとかケアしてあげなければならない。ここで両方に対してケアすることが大切だと思う。声かけをしたり、必要であれば課題を出したり、だ。集団指導をしながら、個別指導をオンするような感じだ。
そして大抵の場合、どちらか一方は気にするものだが、他方に関しては手が回らなかったり、そもそも意識が薄れていたりする場合が多い気がする。自分も意識して気をつけないといけないと思っている。恥ずかしながら私も「生徒が求めてきたら反応する」みたいな対応をしがちだったのだが、生徒が口を開けて待っているなんて保証はない。その前に生徒から縁を切られる、なんてことは珍しくないし、実際にそうされてきたのだろうと思う。
そして学力だけでなく、もっとシンプルというか、大きな視点でも大事なことがある。それが「居心地の良さ」だ。集団の一個人としてみられるよりは、ただの一個人としてみられる方が、その人にとって居心地のよい空間になることは言うまでもないと思う。
今年は私は、毎回の授業のポイントを全員に授業後に共有するようにしていた。もちろん、それをありがたがっている生徒もいるにはいたのだが、生徒のレスポンスから判断するに、それがトータルに見て有効に働いていたかどうかは疑問が残った。そこでつい最近、ちょうど何人かに伝えたいことがあったので、それを一斉共有の形ではなく、個別に伝えるようにしてみたところ、早速反応があったし、ちょうどそこに居合わせた講師からも、本人が感謝していたと伝えられた。この仮説はまだ検証段階ではあるが、少しこれまでとはやり方を変えてみようと思う。
集団指導は個別指導のように。これを肝に命じていきたい。