ツキアカリテラス

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問題を解いていて詰まったときに自問すべき2つのこと

問題を解いていて詰まったとき。とにかく答えなければならない、というより、何か書いておけば最悪部分点は取れるだろう、という甘い考えのもと頓珍漢な答えを書いて結局バツを食らう、といったことは実際演習の答案を採点していてもつくづく感じる。恐ろしいのは、普段そんなミスをしないような生徒であっても、しばしばそんなミスをしてしまうことである。演習やテストで問題を解いているときは、初見の問題に出くわすことも珍しくないから、テンパってしまうのであろう。人間テンパると何をしでかすかわからない。そのスモールスケールでの事象がこのようなミスになるのだと思っている。

 

頓珍漢な答え、というのは例えばこうだ。電離平衡が絡んだ中和の問題、例えば酢酸を水酸化ナトリウム水溶液で中和するときに、水酸化ナトリウムについて平衡定数を考えてしまう、あるいは、銅と濃硝酸の反応を化学反応式で書くときに、水素を生じさせてしまう、さらにひどいときには窒素や酸素を生じさせてしまう、などである。

 

こういうときに自問してほしいのは「教科書になかった知識は使わない」である。基本的に大学入試の問題は教科書内容を逸脱しないようにできている。仮に逸脱する場合は問題文にその説明がなされているはずだから、それを読めばよい。もちろん、その教科書に載っている知識を正確に覚えておくというのは前提なのだけれど、それができているにも関わらず上記のようなミスを犯してしまうのは、テンパって自分で知識を作り出して、それで答えている可能性が高いのだ。自分で知識を作るなんてノーベル賞みたいなことは入試問題を解くときには一切必要ない。いつでも拠り所は教科書なのである。

 

また、例えば計算問題で手が止まってしまった場合に、その止まった段階でうんうん考えて、余計に沼にはまってしまうというのもよくある。この場合にも自問してほしいことがあって、それは「詰まったら問題文を読み直せ」である。特に近年の理科の問題はまるで国語の問題かと思えるほどに読解がカギとなる問題が多い。どこかで誤読をしているかもしれないし、読み落としをしているかもしれない。あるいは思い込みで議論を進めているかもしれない。だから、現状のトラブルばかりを直視するのではなく、手がかりの元となる問題文に戻るのが近道なのだ。

 

この点を気をつけるだけでも、問題への向き合い方はだいぶ変わると思う。心当たりのある方は一度実践してみていただきたい。