ツキアカリテラス

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無観客ライブ/配信ライブはこれから独り歩きして欲しい

この状況で、有観客ライブというのがやりにくくなっている。実際私も音楽が趣味なので、ずっと何かしらのライブに行っていて、直近2年の間でも、いくつかの有観客ライブに行く予定があったのだが、結局全てが延期もしくは中止になってしまった。また、私自身楽器を演奏できるということもあって、自分自身が有観客ライブを行うということも継続的にやってきたのだが、同じくここ2年は全くやっていない。

 

そこで盛んになってきたのが無観客ライブ、いわゆる配信ライブである。このおかげで、間接的ではあるが、アーティストを目にする機会、アーティストのパフォーマンスや話に触れる機会ができ、少しばかりではあるが、楽しみが無くなった分を紛らすことができた。私自身も昨年に無観客ライブをやった。

 

私の周囲では音楽活動をしている人が多いのもあり、同じように配信ライブやリモートセッションをしたという声を多数聞く。ところがその大半は、仕方なしにやりましたというような気持ちがこもっている気がする。つまり、無観客ライブは有観客ライブの代替であり、有観客ライブでなければ満足感は得られない、といったものだ。

 

しかし、私の満足度の閾値が低いのもあるかもしれないが(笑)、個人的には無観客ライブについてはかなり満足している。それどころか、これについては状況が落ち着いてからでもずっと継続して欲しい、と思っている。

 

大きな理由は2つある。1つは、聴衆としての意見だが、移動のコストがかからないということ。特にライブに足繁く通っていると「遠征」をせざるを得ない場合が出てくる。それどころか、観光も両立できるのでむしろ主体的に遠征を選ぶ場合もある。しかし、遠征はどうしてもコストがかかってくる。移動時間もそうだが、宿泊や交通手段にかかる費用もバカにできない。翌日仕事、けれども体力消耗を避けたいとなれば早朝の新幹線で帰るという選択を取らざるを得ず、予想以上に足が出る場合もある。しかし配信ライブであれば自宅で視聴できる。それも本来は禁じられている飲み食いを自由にしながら、なおかつゆったりとくつろぎながら鑑賞できる。

 

もう1つは、聴衆と演者、両方としての意見だが、有観客ライブ以上に演出が重視されることである。カメラワーク、照明、そして映像など、もちろん有観客ライブでもこれに関しては魅せる演出がなされているが、無観客ライブにおいてはこれらが有観客ライブ以上に大事な要素となる。有観客ではできない、無観客だからこそできるような仕掛けも可能かもしれない。客席が空っぽなのだから、そのスペースを有効活用することも考えられるだろう。そして、これは無観客ライブが有観客ライブと一線を画し、独自の文化となりうる要素でもあると思う。

 

実際いくつかの無観客ライブを観てきたが、どれもこの点においてかなり創意工夫が凝らされている。ここまで発展してこられたのだから、これからは、それをより深化したものにしていって欲しいと思うのである。

 

無観客ライブ、配信ライブは決して有観客ライブのオルタナティブではない。有観客ライブと無観客ライブの並列があっても良いと思うのだ。